尿蛋白検査について
腎臓は血液を濾過して老廃物を尿として排出する一方で、体に必要な蛋白質は再吸収して体内に戻します。健康な腎臓では蛋白質はほとんど尿中に漏れ出しませんが、腎臓に障害が起こると尿中に蛋白が現れます。
尿蛋白陽性が続く場合、慢性腎臓病の重要なサインの可能性があります。慢性腎臓病は進行すると透析が必要になる可能性があるため、早期発見と適切な管理が極めて重要です。また、尿蛋白の原因の一部は、心血管疾患のリスク因子でもあることも知られています。
健康診断で尿蛋白陽性を指摘されたら、放置せずに箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックお越しください。
検査の意義と検査方法
尿蛋白検査により、腎臓の濾過機能の状態を評価できます。正常な腎臓では1日150mg以下の微量の蛋白しか尿中に排泄されませんが、腎障害があるとこの量が増加します。尿蛋白の量と持続期間は、腎臓病の重症度や予後を予測する重要な指標となります。
検査方法と基準値
試験紙法(定性検査)
尿検査用の試験紙を尿に浸し、試験紙の色の変化を見て判定します。健康診断などのスクリーニング検査でよく用いられます。
【一般的な基準値】
- 陰性(-):正常
- 境界域(±):痕跡程度の蛋白が検出された可能性あり
- 陽性(+、2+、3+、4+):蛋白が検出された
※数字が大きいほど蛋白量が多いことを示す
比色法(定量検査)
尿中の蛋白質と試薬を反応させ、その色の濃さを測定して正確な蛋白質量を定量します。試験紙法で陽性となった場合に、より詳しく評価するために行います。
【一般的な基準値】
- 随時尿:150mg/gCr未満
- 24時間蓄尿:150mg/日未満
尿蛋白陽性の主な原因
慢性腎臓病
糖尿病腎症、慢性糸球体腎炎、IgA腎症などの慢性腎臓病では、持続的に尿蛋白が陽性となります。これらは進行性の病気であり、進行すると腎不全へと至り、最終的に人工透析が必要となる可能性があります。初期段階の自覚症状に乏しいため、尿検査による早期発見と治療介入が重要です。
急性腎炎
急性糸球体腎炎などでも尿蛋白が陽性となります。血尿や浮腫を伴うことが多く、早急な治療が必要です。
ネフローゼ症候群
尿中に大量の蛋白が漏れ出てしまう病気です。浮腫、低アルブミン血症、高コレステロール血症を伴うことがあり、高度になると血栓症(肺梗塞、心筋梗塞、脳梗塞など)などを合併するリスクがあります。
高血圧性腎障害
長期間にわたる高血圧により、腎臓の血管が障害された状態です。腎機能の低下によって尿蛋白が陽性となります。血圧のコントロールが腎機能保護に重要です。
尿路感染症
膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症でも、炎症により尿蛋白が陽性となることがあります。
一時的な陽性
激しい運動後、発熱、精神的ストレス、起立性蛋白尿(長時間立っていることによる)、精子の混入などで、一時的に尿蛋白が陽性となることがあります。これらは通常、治療の必要はありません。
尿蛋白陽性による症状
初期は無症状
腎機能の異常による尿蛋白では、初期には軽度、あるいは自覚症状がないことがほとんどです。そのため、ほとんどが健康診断で初めて指摘されます。
進行時の症状
大量の尿蛋白が続くと、浮腫(むくみ)、特に朝の顔や足のむくみが現れます。さらに進行すると、倦怠感、食欲不振、尿量の減少などの腎不全症状が出現します。
よくあるご質問
尿蛋白が±(プラスマイナス)と言われました。心配です
±は痕跡程度の蛋白を意味し、すぐに問題となることは少ないです。ただし、持続する場合は精密検査が必要ですので、1~3か月後を目安に再検査をご検討ください。
尿蛋白が陽性でも症状がありません。治療は必要ですか?
はい、症状がなくても治療が必要な場合があります。尿蛋白は腎臓の障害を示す重要なサインであり、早期に対応することで腎機能の悪化を防げます。
一度尿蛋白が陽性になったら、ずっと続きますか?
原因により異なります。一時的な運動や発熱による陽性であれば、基本的には自然に改善します。病気によって慢性的に続く場合でも、適切な治療により尿蛋白を減少させることができます。