ALT、AST、γGTP、総ビリルビン

ALT、AST、γGTP、総ビリルビン

肝機能検査について

肝機能検査

肝臓は、栄養素の代謝、解毒作用、胆汁の生成など、生命維持に欠かせない多くの働きをしています。しかし、肝臓の病気(肝疾患)は進行するまで症状が現れないことが多いため、血液検査による早期発見が重要です。

肝機能検査では、肝細胞の破壊(ALT、AST)、胆道系の障害(γ-GTP)、肝臓の処理能力(総ビリルビン)など、それぞれ異なる側面から肝機能を評価します。複数の項目を組み合わせることで、肝臓の状態をより正確に把握できます。

箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックでは、肝機能検査の結果を総合的に評価し、必要に応じて追加検査や専門医への紹介を行っています。定期的な検査により、肝臓病の早期発見・早期治療が可能となります。

ALT(GPT)

検査の意義

ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)は、主に肝細胞に存在する酵素です。肝細胞が障害を受けると血液中に漏れ出すため、肝臓の障害を鋭敏に反映する指標となります。

一般的な基準値

30U/L以下

高値の場合に考えられる原因

急性肝炎(ウイルス性、薬物性)、慢性肝炎、脂肪肝、アルコール性肝障害などで上昇します。特に急性肝炎では数百~数千まで上昇することがあります。

軽度上昇の場合の対応

30~100U/L程度の軽度上昇は、脂肪肝、過度の飲酒、薬剤性、肥満などでよく見られます。生活習慣の改善で正常化することも多いですが、持続する場合は精密検査が必要です。

AST(GOT)

検査の意義

AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)は肝臓だけでなく、心臓、筋肉、腎臓にも存在する酵素です。ALTと比較することで、障害部位の推定に役立ちます。

一般的な基準値

30U/L以下

高値の場合に考えられる原因

肝疾患(肝炎、肝硬変、肝がん)、心筋梗塞、筋疾患(筋ジストロフィー、多発性筋炎)、溶血性疾患などで上昇します。激しい運動後にも一時的に上昇することがありますが、この場合は特に問題ありません。

AST/ALT比の意義

  • AST>ALT(AST/ALT比>1)の場合:アルコール性肝障害、肝硬変、心筋梗塞などを疑います
  • ALT>AST(AST/ALT比<1)の場合:ウイルス性肝炎、脂肪肝などを疑います

γ-GTP(γ-GT)

検査の意義

γ-GTP(ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)は、肝臓や胆道系に多く存在する酵素です。アルコールや薬物に敏感に反応し、飲酒習慣の指標としても用いられます。

一般的な基準値

50U/L以下

高値の場合に考えられる原因

肝臓や胆道の異常によって上昇します。アルコール性肝障害、脂肪肝、胆道系疾患(胆石、胆管炎)、薬剤性肝障害、肝腫瘍などが原因として挙げられます。

総ビリルビン

検査の意義

ビリルビンは赤血球が壊れてできるヘモグロビンの分解産物です。肝臓で処理され胆汁として排泄されます。肝機能の低下や胆道閉塞などにより血中濃度が上昇します。

一般的な基準値

0.2~1.2mg/dL

高値の場合に考えられる原因

肝臓や胆道に異常が生じると、ビリルビンの処理能力が落ちて数値が上昇します。急性肝炎、肝硬変、胆道閉塞(胆石症、胆管がん)、薬剤性肝障害、溶血性貧血などが考えられます。

黄疸について

総ビリルビンが2~3mg/dL以上になると黄疸(※)が現れ、尿も濃い褐色になります。これらが見られる場合は、早急な精密検査が必要です。

(※)おうだん:皮膚や白目が黄色くなる症状

検査を受ける際の注意点

飲酒の影響

検査前日の飲酒は、特にγ-GTPに影響します。正確な評価のため、検査前2~3日は禁酒することが望ましいです。

薬剤の影響

解熱鎮痛薬、抗生物質、漢方薬、サプリメントなども肝機能検査値に影響することがあります。服用中の薬は必ず申告してください。

運動の影響

激しい運動はASTを上昇させることがあります。検査前日は過度な運動を避けてください。

異常値が出た場合の対処法

生活習慣の改善

軽度の異常では、まず生活習慣の改善を行います。

  • 節酒・禁酒(特にγ-GTPが高値の場合)
  • 減量(脂肪肝の改善)
  • 薬剤の見直し
  • 定期的な運動など

追加検査

肝炎ウイルス検査(B型、C型)、腹部超音波検査、自己免疫性肝炎の検査などを行い、原因を特定します。

治療

原因に応じた治療

ウイルス性肝炎には抗ウイルス薬、脂肪肝には食事・運動療法、アルコール性肝障害には断酒が基本となります。

肝機能異常の経過観察

肝硬変への進行予防

慢性肝炎などで肝臓がダメージを受け続けると、正常な組織が線維化を起こして肝機能が低下します(肝硬変)。肝硬変に至ると、低下した肝機能を元の状態に戻すことは難しくなるので、早期の介入による予防が重要です。

定期検査の重要性

肝機能の異常が見つかった場合、定期的な検査により経過を観察することが重要です。肝硬変への進行を防ぐため、常に経過を把握して適切な管理を行う必要があります。

よくあるご質問

健診でγ-GTPだけが高いのですが、お酒をやめる必要がありますか?

γ-GTPの単独上昇は、多くの場合アルコールが原因です。将来の肝障害を防ぐため、節酒または禁酒をお勧めします。2~3週間の禁酒で数値の改善が見られるか確認することも診断に役立ちます。

脂肪肝と言われましたが、お酒は飲みません。なぜですか?

非アルコール性脂肪肝(NASH※)と言う、代謝の異常によって起こる脂肪肝も存在します。主に肥満、糖尿病、脂質異常症などが原因となるため、お酒を飲まなくても脂肪肝になるリスクがあります。NASHも放置すると肝硬変に進行することがあるため、早期の治療が必要です。※近年では脂肪肝に関する医学的な考え方が変わり、「代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)」と呼ばれるようになりました

肝機能が悪いと言われましたが、症状はありません。治療は必要ですか?

肝臓は予備能力が高く、かなり悪化するまで症状が出ません。症状がなくても、検査値の異常は肝臓からのSOSサインです。早期の対応により、重篤な肝疾患への進行を防ぐことができます。

ご予約・お問い合わせ 072-727-2121 検査や通院の予約 WEB予約 フォームから お問い合わせ
instagram
Instagram