めまい
めまいとは?

めまいは、自分や周囲が回転している感覚(回転性めまい)、ふらつき感(動揺性めまい)、立ちくらみ感(失神性めまい)などの総称です。内耳の平衡感覚器官の異常による末梢性めまいと、脳や心血管系の異常による中枢性めまいに大別されますが、循環器疾患による血流障害によってめまいが生じることもあります。
箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックでは、循環器専門医がめまいの原因を詳しく調べ、心血管系の問題による可能性を含めて総合的に診断いたします。めまいでお悩みの方は、お気軽に当院へご相談ください。
めまいの原因
末梢性めまい
末梢性めまいは内耳の前庭器官(三半規管、耳石器)の異常により生じるめまいです。回転性めまいが多く、聴覚症状(難聴、耳鳴り)を伴うことがあります。
良性発作性頭位めまい症
内耳の前庭器官にある耳石が移動することで、頭を動かした際にめまいが生じます。数分以内に症状が改善するのが特徴です。病気由来のめまいとしては頻度が高く、特に中高年女性に多く見られます。
メニエール病
内耳のリンパ液が増加する病気です。発作的にめまい、難聴、耳鳴りが同時に現れ、数時間持続することがあります。
前庭神経炎
ウイルス感染などにより前庭神経に炎症が起きている状態で、激しいめまいが突然起こります。風邪などの上気道感染の後に発症することが多いです。
中枢性めまい
中枢性めまいは脳幹、小脳、大脳皮質の異常により生じるめまいです。めまいに加えて体の麻痺や眼球運動障害などの神経症状を伴うことが特徴的です。
脳梗塞・脳出血
脳の血流障害により、めまいとともに運動麻痺、感覚障害、構音障害などの神経症状が現れます。いずれも緊急治療が必要な重篤な疾患で、対処が遅れると命を落とすこともあります。
聴神経腫瘍
聴神経に発生した腫瘍が正常な神経伝達を障害し、難聴や耳鳴り、めまいを引き起こします。腫瘍が大きくなると脳幹を圧迫し、顔面神経麻痺や歩行障害などを来すこともあります。
多発性硬化症
リンパ球の異常により、中枢神経の情報伝達が障害される病気です。めまい、複視、運動麻痺、感覚障害などの神経症状が現れます。自然な寛解と再発を繰り返すことが多く、正しく診断されていないケースも多いです。
循環器疾患によるめまい
起立性低血圧(立ちくらみ)
急に立ち上がった時に血圧が低下し、脳血流が減少することで立ちくらみやめまいが生じます。高齢者や降圧薬服用中の方に多く見られます。
不整脈
心房細動、洞不全症候群、房室ブロックなどの不整脈によって心拍出量が減少し、脳血流が不安定になることでめまいが生じます。
心臓弁膜症
心臓の弁に生じた異常が生じる病気です。心臓が血液を正常に送り出せなくなり、脳の血流が不足してめまいが生じることがあります。特に労作時のめまいは重篤な弁膜症の可能性があります。
頸動脈狭窄
頸動脈の狭窄(狭くなること)により脳血流が減少し、めまいを起こすことがあります。動脈硬化により徐々に悪化するため、特に高齢者に多く見られます。
その他の原因
糖尿病・低血糖
血糖値の異常により脳への糖供給が不安定になり、めまいやふらつきが生じます。血糖値の急激な変動により症状が現れることが多く、特に低血糖時には冷や汗や動悸も伴います。
脱水
体内の水分不足により血圧が低下し、脳血流が減少することでめまいが生じます。高齢者や発熱時に起こりやすく、特に夏季の熱中症や下痢・嘔吐による脱水では注意が必要です。
貧血
ヘモグロビンの減少により組織への酸素供給が不足することで、めまいや立ちくらみが生じます。
甲状腺機能の異常
甲状腺機能亢進症では動悸とともにめまいが、甲状腺機能低下症では全身倦怠感とともにめまいが現れることがあります。
薬剤性
降圧薬、利尿薬、睡眠薬などの副作用としてめまいが生じることがあります。
自律神経失調症
自律神経のバランスが崩れることで、めまいやふらつき、動悸などの症状が現れます。ストレスや過労により症状が悪化することがあります。
更年期障害
ホルモンバランスの変化により、めまいや動悸、ほてり(ホットフラッシュ)などの症状が現れることがあります。40~50代の女性に多く見られます。
心理的要因
不安障害、パニック障害、うつ病などの精神的疾患により、めまいが生じることもあります(心因性めまい)。
めまいの症状
めまいの種類
回転性めまい(自分や周囲が回転する感覚)、動揺性めまい(ふらつき感)、失神性めまい(立ちくらみ、気が遠くなる感じ)に分類されます。一時的なものであれば問題ないですが、頻繁に起こる場合、あるいは激しいめまいが起こる場合は注意が必要です。
随伴症状
動悸、息切れ、胸痛、冷や汗、吐き気、聴覚障害、手足のしびれなどを伴うことがあります。
緊急性の高い症状
突然の激しいめまい、意識消失、胸痛や呼吸困難を伴うめまい、手足の麻痺を伴う場合は、緊急対応が必要です。直ちに救急車を呼び、適切な医療機関を受診してください。
めまいの検査
心電図検査
不整脈や心筋異常の有無を調べ、循環器疾患によるめまいの可能性を評価します。
超音波検査(心エコー)
超音波を利用して心機能を評価し、心拍出量低下によるめまいの可能性を調べます。
血圧測定
血圧を測定し、血流の影響によるめまいの可能性を調べます。
めまいの治療
原因疾患の治療
末梢性めまいの場合には耳鼻咽喉科を、中枢性めまいの場合には脳神経外科へのご紹介を行い、適切な治療へとつなげます。循環器疾患によるめまいに対しては当院で原因に応じた治療を行います(不整脈に対する抗不整脈薬、起立性低血圧に対する昇圧薬など)。
生活習慣の改善
めまいの治療と並行し、症状を誘発する生活習慣を改めます。急激な体位変更を避ける、適度な水分摂取を心がける、規則正しい生活リズムを維持するなどが効果的な場合があります。
受診のタイミング
早期受診を推奨
- 立ち上がり時のふらつきやめまいが繰り返し起こる
- めまいとともに動悸、息切れ、胸痛などを感じる
- 高血圧や不整脈の治療中で、新たにめまいが出現した
- めまいの頻度や程度が徐々に悪化している
- 耳鳴り、難聴、頭痛などの症状を伴うめまいがある
- 薬剤変更後にめまいが出現し、数日経っても改善しない
など
速やかな受診が必要
- 突然の激しい回転性めまいで立っていられない
- 胸痛、動悸、冷や汗を伴う強いめまい
- 手足の麻痺、ろれつが回らない、複視などの神経症状を伴う
- 高熱、激しい頭痛、項部硬直を伴うめまい
- 著しい血圧低下や不整脈を伴う
など