バセドウ病

バセドウ病

バセドウ病とは?

バセドウ病

バセドウ病(グレーブス病)は、自己免疫により甲状腺が刺激され続ける疾患です。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで新陳代謝が異常に活発になり、動悸、体重減少、手の震えなどの症状が現れます。甲状腺機能亢進症の中でも特に頻度の高い病気で、20~40代の女性に多く見られます。「最近痩せてきた」「動悸がひどい」「目が出てきた気がする」などの症状がある方は、箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックへお気軽にご相談ください。専門的な診断と治療を行います。

バセドウ病の症状

甲状腺腫大

甲状腺の肥大によってのどぼとけの下が全体的に腫れ、首が太くなったように見えます。痛みはありませんが、のどに違和感があったり、ネックレスがきつく感じたりすることがあります。

眼症状

バセドウ病は眼球周囲の脂肪や筋肉に影響を与え、これらの炎症を引き起こすことがあります(バセドウ病眼症)。眼球突出が主な症状で、目の乾きや充血、物が二重に見える(複視)、目の奥の痛みなどの症状を伴うこともあります。

全身症状

  • 食欲があるのに体重が減る
  • 暑がりで汗をたくさんかく
  • 手指が細かく震える
  • イライラして落ち着かない
  • 疲れやすい
  • 下痢をしやすい
  • など

循環器症状

  • 動悸が強い
  • 安静時でも脈が速い(頻脈)
  • 不整脈(心房細動など)を合併することがある
  • 息切れが出て階段昇降がつらい
  • など

バセドウ病の原因

自己免疫異常

バセドウ病は自己免疫疾患で、TSH受容体に対する自己抗体(TSH受容体抗体)が産生されることで発症します。この抗体が甲状腺を刺激し続けるため、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。

遺伝的素因

家族にバセドウ病の方がいると、発症リスクが高くなります。ただし、遺伝だけで必ず発症するわけではなく、環境要因も大きく関わっています。

環境要因

強いストレス、妊娠・出産、喫煙などが免疫システムに影響を与え、発症の引き金になることがあります。

性差・年齢

バセドウ病は女性に多い病気で、男性の約5倍の頻度で発症します。20~40代での発症が多いですが、どの年齢でも起こる可能性があります。

バセドウ病の検査と診断

血液検査

甲状腺ホルモン(FT3、FT4)の上昇とTSHの低下を確認します。さらに、TSH受容体抗体が陽性であれば、バセドウ病が疑われます。この抗体の数値は、病気の活動性や治療効果の判定の指標にもなります。

甲状腺エコー検査

甲状腺の大きさや血流を評価します。バセドウ病では甲状腺が腫大し、血流が著明に増加しています。当院では超音波専門技師が精密な検査を行います。

眼科検査

眼球突出など、バセドウ病眼症の症状がある場合は、眼科での詳しい検査が必要です。眼球の突出度、眼圧、視野などを調べ、適切な治療につなげます。

※必要に応じて提携先の眼科をご紹介します

バセドウ病の治療

薬物療法

抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール)を使って甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑えます。効果が現れるまで2~4週間、甲状腺ホルモンの正常化まで2~3か月かかります。この間は薬の副作用が起こりやすいので、定期的な検査で様子を見つつ、適切な薬剤の量を調整します。数年間の継続が必要になるため、根気よく続けていきましょう。

アイソトープ治療

放射性ヨウ素のカプセルを内服し、甲状腺の細胞を減らす治療です。薬物療法では不十分な場合に検討する方法で、高い効果が見込めますが、一時的な甲状腺機能の低下が起こる可能性もあります。また、放射線を用いる治療なので、妊娠中、授乳中、近い将来妊娠希望の方には行えません。

アイソトープ治療のメカニズム

アイソトープ治療は、甲状腺特有のヨウ素集積機能を活用した治療です。放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれ、内部から放射線を照射することで、過剰な甲状腺組織を効果的に減少させます。カプセル内のヨウ素は主に甲状腺で取り込まれ、放射線の到達距離も非常に短いため、他の臓器への影響はほとんどありません。

手術

甲状腺を部分切除する手術です。甲状腺が非常に大きい場合、薬の副作用で内服継続が困難な場合、早期の治癒を希望する場合などに選択されます。

※アイソトープ治療、手術は提携医療機関と連携して実施します

日常生活での注意点

症状に応じた活動制限

治療開始後もしばらくは症状が続きます。動悸や疲労感が強い間は、激しい運動や重労働は避けましょう。仕事や学業は体調に合わせて調整し、必要に応じて職場や学校に病状を説明して配慮を求めることも大切です。

禁煙の徹底

喫煙はバセドウ病の症状を悪化させ、特に眼症状(眼球突出)に悪影響を与えます。完全禁煙を目指し、受動喫煙も避けるようにしましょう。当院の禁煙外来もご活用ください。

ストレス管理

過度なストレスは免疫システムに悪影響を与えて症状を悪化させるため、リラックスする時間を作りましょう。十分な睡眠(7~8時間)を確保し、規則正しい生活リズムを保つことが大切です。

定期的な通院

薬の効果や副作用をチェックするため、最初は2~4週間ごと、安定したら1~3か月ごとの通院が必要です。血液検査の結果により薬の量を調整するため、予約日は必ず守りましょう。自己判断での治療中断は症状の再発につながります。

眼症状への対応

眼球突出がある場合は、目の乾燥を防ぐため人工涙液を使用し、サングラスで紫外線から目を守りましょう。視力の変化があれば、すぐに当院かお近くの眼科を受診してください。

ご予約・お問い合わせ 072-727-2121 検査や通院の予約 WEB予約 フォームから お問い合わせ
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