突然の体重増加

突然の体重増加

なぜ突然の体重増加が起こる?

突然の体重増加

食事量や運動量に大きな変化がないにもかかわらず、短期間(数日から数週間)で体重が急激に増加した場合、何らかの病気が原因かもしれません。特に1週間で2kg以上の体重増加がある場合は、体内への水分貯留(むくみ)が原因である可能性が高く、心不全などの循環器疾患が考えられます。

単なる食べ過ぎによる体重増加とは異なり、病的な体重増加は全身のむくみや息切れなどの症状を伴うことが多いです。早期の診断と治療が必要です。

箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックでは、循環器専門医が突然の体重増加の原因を詳しく調べ、心不全をはじめとする循環器疾患の診断と治療を専門的に行っています。急な体重増加でお困りの方は、お気軽に当院へご相談ください。

突然の体重増加の原因

循環器疾患

心不全

心不全は、心臓のポンプ機能が低下した状態です。正常な血液循環ができないと体内に水分が貯留するため、急激な体重増加を来す可能性があります。心不全による体重増加は、足のむくみから始まり、進行すると全身のむくみや腹水(お腹に水が溜まる)を伴うことが多いです。

心臓弁膜症

心臓の弁の機能異常により心臓への負担が増加し、心不全を引き起こすことで体重増加が生じます。特に僧帽弁閉鎖不全症や大動脈弁閉鎖不全症で多く見られます。

心筋症

心筋の拡大や肥大によって心機能が低下すると、体液貯留による体重増加が起こります。若年者でも発症することがあります。

収縮性心膜炎

心臓を包む膜(心膜)が厚く硬くなることで、心臓の拡張が制限されます。これにより静脈圧が上昇して体液貯留を来し、急な体重増加を引き起こします。

肺高血圧症

肺動脈圧の上昇により右心不全を来し、全身の静脈圧上昇から体液貯留と体重増加が生じます。

その他の原因

腎疾患

急性腎不全や慢性腎不全の悪化により、尿量が減少し、体内に水分が貯留することで急激な体重増加を起こすことがあります。

肝硬変

肝機能の低下により血中のタンパク質(アルブミン)濃度が低下し、腹水(お腹に水が溜まる)やむくみによる体重増加が生じます。進行した肝硬変ではこれらが顕著になります。

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの不足により代謝が低下し、粘液水腫(むくみの一種)による体重増加が起こります。

薬剤性

ステロイド薬、一部の降圧薬(カルシウム拮抗薬)、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などの副作用として、むくみや急な体重増加が起こることもあります。

ホルモン異常

クッシング症候群などの副腎皮質ホルモンの異常により、体重増加や肥満が生じることがあります。

突然の体重増加による症状

典型的な症状

短期間での体重増加(1週間で2kg以上)のほか、自覚症状として足首や脛のむくみ(圧痕性浮腫)、腹部膨満感、衣服のきつさ、指輪が抜けにくくなるなどが挙げられます。

随伴症状

労作時の息切れ、夜間の呼吸困難(起座呼吸)、動悸、疲労感、食欲不振、尿量減少、咳(特に夜間)などを伴うことがあります。これらを伴う場合は、心不全が疑われます。

緊急性の高い症状

安静時の強い呼吸困難、ピンク色の泡状の痰、意識障害などを伴う場合は、急性心不全の可能性があります。直ちに受診してください。

突然の体重増加の検査

心電図検査

不整脈、心筋虚血、心肥大などの有無を調べ、体重増加の原因となる心疾患の有無を評価します。

超音波検査(心エコー)

心臓の収縮・拡張機能、弁膜症の有無、心房・心室の大きさなどを詳しく調べ、心不全の診断と重症度評価を行います。当院では超音波専門技師が精度の高い検査を実施しています。

血液検査

心臓に負担がかかった際に生じるBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)、NT-proBNPなどを調べます。これらは心不全の診断と重症度評価に重要となります。

また、腎機能、肝機能、電解質、甲状腺機能なども同時に評価します。

胸部X線検査(レントゲン検査)

心拡大、肺うっ血、胸水貯留の有無を調べます。

尿検査

タンパク尿、血尿の有無を調べ、腎疾患の評価を行います。また、尿量測定も体液バランスの評価に重要です。

突然の体重増加の治療

心不全の治療

利尿薬により過剰な体液の排泄を促し、ACE阻害薬やARB、β遮断薬などで心機能を改善します。重症例では入院治療が必要となることもあります。

塩分・水分管理

1日の塩分摂取量を制限し、水分摂取も適切に管理します。毎日同じ時間に体重測定を行い、変化を記録することが重要です。

原因疾患の治療

腎疾患、肝疾患、甲状腺疾患など、原因となる疾患に応じた治療を行います。薬剤性の場合は、原因薬剤の変更や中止を検討します。

生活習慣の改善

適度な運動、禁煙、節酒、十分な休養により、心臓への負担を軽減します。ただし、急激な体重増加がある時は体へ大きな負担がかかっていますので、まずは安静を保つことが重要です。

受診のタイミング

早期受診を推奨

  • 1週間で2kg以上の体重増加がある
  • 足のむくみとともに体重が増加している
  • 以前より疲れやすく、体重も増えている
  • 軽い動作で息切れを感じ、体重も増加している
  • 心疾患、腎疾患、肝疾患の既往がある方で体重が急に増えた
  • 新しい薬を飲み始めてから体重が増加した
  • トイレに行く回数が減った、尿量が減った
  • など

速やかな受診が必要

  • 体重増加とともに安静時でも息苦しさがある
  • 横になると息苦しく、座っていないと呼吸が楽にならない
  • ピンク色の泡のような痰が出る
  • 顔面や手のむくみが急激に悪化した
  • 意識がぼんやりする、極度の疲労感がある
  • お腹が急に膨れた、お腹が張る
  • など

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