脈の異常とは?

正常な脈拍の基準は、毎分60~100回(安静時)程度です。これより脈が速い状態を「頻脈」、脈が遅い状態を「徐脈」と言います。また、脈のリズムが不規則になる不整脈も重要な脈の異常です。これらは心疾患の症状として現れることが多く、専門医による適切な診断が必要です。
箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックでは、循環器専門医が脈の異常を詳しく調べ、原因に応じた適切な治療を提供しています。脈の異常が気になる方や、健康診断で異常を指摘されている方は、お気軽に当院へご相談ください。
脈の異常の原因
頻脈の原因
心疾患(狭心症・心筋梗塞など)
何らかの理由で心臓への血流が低下すると、心臓は酸素不足を補うために拍動を速めます。狭心症や心筋梗塞、心筋症、およびこれらの結果として起こる心不全などが原因となります。
高血圧
血圧が高いと、心臓は常に強い力で血液を送り出さなければなりません。この状態が続くと心臓は徐々に疲弊し、機能低下を起こして心不全の状態となります。心不全を起こした心臓は全身への血液供給のためより速く拍動するようになり、頻脈が発生します。
ホルモンバランスの乱れ
甲状腺機能亢進症では甲状腺ホルモンの過剰分泌により心拍数が増加し、心房細動の合併も多く見られます。特に女性の更年期障害では女性ホルモン分泌の急激な低下により自律神経が乱れ、頻脈が発生しやすくなります。
緊張・ストレス
過度の緊張や身体的・精神的ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、交感神経が優位になります。交感神経の興奮により心拍数が増加し、血流が増大するため頻脈を発生しやすくなります。
アルコール・カフェインの大量摂取
アルコール分解産物のアセトアルデヒドは血管拡張と脈拍増加作用があります。また、カフェインやニコチンも自律神経を刺激し心拍数を増加させます。少量であれば問題ありませんが、これらを大量に摂取すると頻脈状態になることがあります。
薬剤の副作用
風邪薬や気管支拡張薬には動悸の副作用があります。抗うつ薬、向精神薬、抗生物質、抗がん剤、免疫抑制剤なども頻脈のリスクがあり、薬剤の飲み合わせでも頻脈が発生する場合があります。
徐脈の原因
洞不全症候群
心臓に備わったペースメーカーである洞結節の機能不全により、電気信号の発生回数が減少または停止した状態です。本来、運動時や発熱時には自然と心拍数が上昇しますが、洞不全症候群では十分に上昇しません。
60~70歳の高齢者に多く、加齢による洞結節の機能低下が主な原因です。そのほか、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心筋症、心筋炎などが原因となることもあります。
房室ブロック
洞結節からの電気信号は、房室結節と言う部位を通り、血液を送り出す心室へと伝わります。房室ブロックでは房室結節に生じた異常により、心室への収縮命令がうまく伝わらなくなります。軽度の房室ブロックでは無症状ですが、重度では突然死のリスクもあります。
その他の原因
降圧薬、抗うつ薬、抗不整脈薬などの副作用、甲状腺機能低下症の症状として徐脈が起こることもあります
脈の異常による症状
頻脈の症状
動悸、胸部不快感、息切れ、めまい、発汗などが現れます。重篤な場合は胸痛や失神を伴うことがあります。
徐脈の症状
めまい、ふらつき、疲労感、息切れ、運動能力の低下などが現れます。こちらも重症例では湿疹を起こすことがあります。
緊急性の高い症状
意識消失、激しい胸痛、呼吸困難、冷や汗を伴う症状がある場合は、直ちに受診してください。
脈の異常の検査
心電図検査
心臓が発する電気信号を調べる検査です。心拍数や不整脈の種類を正確に評価し、治療方針の決定に役立てます。
24時間心電図検査
日常生活中の脈の変化を連続記録します。通常の心電図検査では捉えきれない一時的な不整脈の有無や程度、症状との関連を調べます。
超音波検査(心エコー)
超音波を利用し、不整脈の原因となる心疾患の有無や心機能を評価します。
脈の異常の治療
薬物療法
頻脈に対する抗不整脈薬やβ遮断薬、血栓予防のための抗凝固薬など、症状や原因に応じた薬物療法を行います。
カテーテル治療(手術)
薬物療法での改善が見込めない頻脈には、カテーテル治療(カテーテルアブレーション)を検討されます。足の付け根にある血管から細い管を挿入して心臓へと到達させ、心臓の組織を焼却することで、頻脈の原因となる異常な電気信号を遮断します。
ペースメーカーの埋め込み
重度の徐脈によって日常生活に支障を来している場合は、ペースメーカーの埋め込みを検討します。ペースメーカーは常に脈拍をモニタリングしており、必要に応じて微弱な電気信号を送って脈拍を正常に戻してくれます。
受診のタイミング
早期受診を推奨
- 健康診断で不整脈や脈の異常を指摘された
- 軽い動悸、めまい、息苦しさ、むくみ、ふらつきなどの症状がある
- 甲状腺疾患、高血圧、心疾患などの基礎疾患がある
- 薬剤服用開始後に脈の異常が出現した
など
速やかな受診が必要
- 脈拍が150回/分以上の頻脈、または40回/分未満の徐脈がある
- 激しい動悸、胸痛、呼吸困難を伴う
- 冷や汗、顔面蒼白、血圧低下、意識障害を伴う
など