食道について

食道は、口から胃へと食べ物を運ぶパイプのような臓器です。喉の奥から始まり、胸の中を通って胃へとつながっています。食道の主な仕事は、口から入れた食べ物や飲み物を胃まで送ることです。食べ物を飲み込むと、食道の筋肉が蠕動(ぜんどう)運動(波のように上から下へ動く運動)をして、食べ物を胃に押し出します。
また、食道の上と下には「括約筋(かつやくきん)」というゲートのような筋肉があります。上下の括約筋が食べ物の通過に合わせて開閉することで、食べ物のスムーズな飲み込みを助け、同時に胃酸が食道に逆流するのを防いでいます。
1食道の構造
食道は数層の壁でできていて、内側(体の内部側)から順に以下のような構造になっています。
粘膜
食道の内側を覆う柔らかな層で、食べ物がスムーズに通るように粘液を出しています。表面は「扁平上皮」という平らな細胞で覆われていて、食べ物や飲み物の刺激から食道を守っています。
粘膜下層
血管やリンパ管が通る、粘膜の下にある層です。ここには神経もあり、食道の動きをコントロールするのを助けています。また、炎症が起きた時に免疫細胞が集まってくる場所でもあります。
固有筋層
食べ物を胃に送るために動く筋肉の層です。ここにある複数の筋肉が協力して波のような動き(ぜんどう運動)を作り出します。
外膜
食道の最も外側を覆う組織で、周りの臓器や組織と食道をつなぐ役割をしています。胸部の食道を保護し、他の臓器との摩擦を減らす働きもあります。
よくある食道の異常・病気
逆流性食道炎
胃の中の酸が食道に逆流して起こる炎症です。「胸焼け」(胸が焼けるような感じ)や「酸っぱいものが口まで上がってくる感じ(呑酸:どんさん)」が主な症状です。食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、太り過ぎ、ストレスなどが原因になることが多いです。
バレット食道
胃酸の逆流が長期間続いた結果、食道の内側の細胞が変化した状態です。自覚症状はほとんどありませんが、まれに食道がんになることがあるため、定期的な検査が大切です。
食道がん
食道にできる悪性腫瘍です。初期では症状がほとんどなく、進行すると「食べ物を飲み込みにくい」「胸が痛い」「体重が減る」などの症状が出てきます。食道がんは消化管がんの中でも転移を起こしやすいため、早期発見・早期治療が特に重要ながんの1つです。
食道粘膜下腫瘍
食道の壁の中からできるこぶのようなものです。多くは良性ですが、まれに悪性(がん)のこともあります。小さいものは症状がないことが多く、検査で偶然見つかることがよくあります。
咽頭乳頭腫・食道乳頭腫
喉や食道の内側にできる良性の腫瘍(いぼ)で、多くはウイルス感染が原因です。小さいものは症状がありませんが、大きくなると「喉に違和感がある」「飲み込みにくい」などの症状が出ることがあります。
好酸球性食道炎
主に食べ物へのアレルギー反応で食道に炎症が起きる病気です。「喉つかえ」「胸が痛い」などの症状があります。アレルギーの原因となる食品を避けつつ、症状に応じた薬で治療します。
食道カンジダ症
カビの一種であるカンジダ菌が食道に感染して起こる病気です。糖尿病の方や、免疫力が低下している方がかかりやすく、「飲み込む時に痛い」「喉のつかえ」などの症状があります。
食道裂孔ヘルニア
本来おなかの中(腹腔内)にあるべき胃の一部が、胸の中(胸腔)に入り込んでいる状態です。加齢や肥満などが主な原因です。症状がない場合もありますが、胸焼けなどの症状が出ることもあります。
こんな症状に注意
- 胸焼け(胸が焼けるような感じ)
- 食べ物が飲み込みにくい
- 食べ物が胸につかえる感じがある
- 胸が痛い、不快感がある
- 酸っぱいものが口まで上がってくる(呑酸)
- ゲップがよく出る
- 喉に違和感がある
- 食後に胸が痛くなる
- 吐き気がする、吐く
- 急に体重が減る など
上記の症状が2週間以上続く場合や、徐々にひどくなる場合は、食道に何らかの問題があるかもしれません。特に50歳以上の方や、たばこを吸う方・お酒をよく飲む方は注意が必要です。
いずれもよくある症状ですが、病気の悪化を防ぐためには早めの検査が重要です。箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックでは患者様のお悩みをしっかりお聞きしたうえで、必要な検査と治療をご提案します。
特に食道がんは早期発見できれば良好な予後が期待できるので、気になる症状があればぜひ当院にご相談ください。
食道の病気の検査
胃カメラ検査(胃内視鏡検査)
胃カメラ検査(胃内視鏡検査、上部消化管内視鏡検査)は、口や鼻から細い管(内視鏡)を入れて、食道から胃・十二指腸にかけての上部消化管の中を直接観察する検査です。以下のような特徴があり、食道の病気を詳しく調べられます。
- 食道の内側の様子をはっきりと見ることができる
- 炎症や潰瘍、腫瘍などの異常を見つけられる
- 必要なら組織を少し採って詳しく調べられる(生検)
- 異物を取り出したり、早期のがんを治療したりもできる など
「胃カメラは苦しそう…」と心配される方も多いですが、当院では苦痛を減らす工夫をしています。眠くなる薬(鎮静剤)を使った「鎮静下(セデーション)検査」や、鼻から入れる「経鼻内視鏡」も可能です。不安なことがあれば、ご遠慮なくお話しください。